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住友林業筑波研究所新研究棟

 

所在地    茨城県つくば市

建築主    住友林業

建築設計者  le style h / Atelier Asami Kazuhiro

       住友林業木化推進部

構造設計者  山田憲明構造設計事務所

       山田憲明 中太郎 蒲池健

施工者    川田工業

建物規模   延床面積 2532.40㎡

       階数   地上3階

主要用途   研究所

主要構造   W、杭基礎

設計期間   2016年6月~2018年2月

工事期間   2018年3月~2019年9月

掲載     新建築2019年10月号

       建築技術2019年11月号

​       日経アーキテクチュア2020年7月9日号

​       日経BPブック ディテールの教科書

​​受賞     第23回木材活用コンクール

​        最優秀賞(国土交通大臣賞)

       ティンバライズ T-1 LVL賞2019

​       第33回日経ニューオフィス賞

​木造プレストレスを用いた開放的な研究所

 本研究所は、住友林業グループの研究拠点になるとともに、その成果を体感できるパビリオンとしての役割を期待されおり、研究所としてのスペックはもちろんのこと、研究開発が誘発かつ継続されるように、施設建設のプロジェクト自体に新規性と汎用性を持たせる必要があった。そこで、住友林業が近年取り組んでいる木造のプレストレス(PS)構法を発展させた「PS積層ブロック壁柱」を開発し、建物に採用している。

 

 この壁柱はLVLブロックを組積造のように積層してPSの圧着で一体化した水平耐力要素で、1枚当たり500kNの短期許容耐力を有する。組積要素として石や煉瓦よりはるかに軽い木質材料用いることで削孔・運搬・建方を容易にしながら、PSを用いることで膨大な数の素材接合面の離間という組積造の根本的な課題を解決し、更に、接合ディテールの簡素化、透過性の向上、積層パターンの多様化を可能にする。

 

 この高耐力の壁柱を、北西と南東のコア部分およびそれらを繋ぐアトリウムに、平面的にS字状に集約させることでオフィス・ギャラリー・会議室等の開放性と耐震性を両立させている。

 

 床構造にRC造スラブ(t=80㎜)とCLTパネル(t=90㎜)を重ねたスラブを用いて遮音性と水平構面の性能を高めるとともに、面内力の伝達時に外周縁部分に発生する大きな軸力をRC造スラブに負担させて外周梁をなくすことで、1820㎜ピッチに並べた集成材の小梁と小柱によるL形フレームが強調され、オフィス空間のリズムを生み出している。

図3 S字状に配置された水平耐力要素.jpg
8_アクソメ_190819.jpg
図7 市松タイプ壁柱の構成とディテール.jpg
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